掲載日:[2018.10.16] 照会数:20433
母を亡くし、離婚で親権さえ失う羽目になった女は、ある日突然、何の兆しもなく言葉を失う。子供の頃にも、しばらく口を閉ざした彼女が再び口を開いた時、知るはずもない外国語のフランス語の単語を話したことがあった。二度目の沈黙を破るために、女は今は使われていない古典ギリシャ語を選択する。
一方、遺伝的な病で徐々に視力を失っていく男がいた。彼はドイツに住んでたが、家族を置いて一人で韓国に戻ってきて古典ギリシャ語の講師をしている。彼の世界が闇に閉ざされる前に、沈黙に閉じ込められた女と出会う。お互いの傷を抱えて生きる二人は沈黙の中で話し合う...
* 著者:ハン・ガン
1970年、韓国光州市生まれ。延世大学国文科卒業。1993年に《文学と社会》で「ソウルの冬」ほか4作の詩を発表し、1994年に『赤い碇』がソウル新聞の新春文芸に当選しデビュー。2007年に発表した『菜食主義者』が韓国の「李箱文学賞」を受賞。また、2016年に同作で韓国人作家として初めて「ブッカー国際賞」を受賞した。そのほか、「韓国小説文学賞」、「黄順元文学賞」、「金裕貞文学賞」など受賞作多数。
大阪韓国文化院 図書室では、韓国語原作版・日本語翻訳版のいずれも所蔵しております。
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