掲載日:[2018.12.20] 照会数:11103
2005年韓国日報文学賞の受賞作で表題作の「走れ、オヤジ殿」など、全9編が収録されている。各短編は、違うストーリーでありながら‘寂しさ’という感情が本全体を貫いている。家族(特に父)との関係に問題のある‘私’、無意識に何かを求める‘私’、自分を見つけたい‘私’など、様々な寂しさの形を、この本で見つけることができる。 各短編には憂鬱な雰囲気が漂うが、時にはユーモラスでもある。ある意味、この本の中のどこか寂しそうに見える日常的な問題は、現代人の人生の重さを反映しているのではないだろうか。
* 著者: 金愛爛(キム・エラン)
1980年仁川(インチョン)出身。2005年第38回韓国日報文学賞を歴代最年少で受賞し、若手作家の中でも特有の文章で注目を集めている。日常生活での些細な素材を見逃さず、それに合わせて華やかな飾り言葉や描写を排除し、淡泊な文章で作り上げる彼女の小説は、評論家や読者たちから好評を得ている。
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