世界文化遺産
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宗廟をお伝えします。




宗廟(1995年登録)
 
宗廟 は朝鮮王朝の歴代王と王妃および追尊(生前に帝位に付くことが出来なかった王子に、死後、王の号を贈ること)された王と王妃の位牌を祀った儒教の祀堂として最も精巧で荘厳な建築物の一つである。宗廟は太祖3年(1394)10月朝鮮王朝が漢陽に都を移した年の12月に着工し、翌年9月に完工、その後すぐ開城から太祖の4代祖である穆祖、翼祖、度祖、桓祖の位牌を祀った。

186,787㎡の境内には宗廟正殿をはじめ、別廟である永寧殿と典祀庁、斎室、香大庁および功臣堂、七事堂などの建物がある。正殿は当初、太室が7間、左右に付属する部屋が2間であったが、宣祖25年(1592)の壬辰倭乱の際に焼け落ちてしまい、光海君即位の年(1608)に再建し、その後英祖と憲宗の時に増築し現在の19間となった。

朝鮮時代には正殿において毎年春夏秋冬と陰暦12月に盛大な祭祀を執り行い、永寧殿では毎年春秋と陰暦12月に祭享(国家で行なう祭祀)日を別に決め、祭礼を執り行った。現在は全州李氏大同宗約院で毎年5月の第一日曜日に宗廟祭礼という国家的な祭享儀式を行っており、祭祀を行う際に演奏する器楽と歌と舞踊を含む宗廟祭礼楽が挙行されている。

宗廟祭礼楽は器楽、歌、舞踊で構成されているが、世宗(在位:1418-1450)の時に初めて作られ、世祖(在位:1455~1468)の時に整備された保太平と定大業の22曲を演奏し、動作が単純ながらも荘厳であることが特徴の佾舞などを舞う。新羅郷歌や高麗歌謡が今日、歌詞のみしか伝えられていないのに対し、宗廟祭礼楽は500年前の旋律を今日までそのまま伝えており、その意義は非常に大きい。

宗廟は朝鮮時代の伝統建物として一般建築ではない神殿建築であるにもかかわらず建築の普遍的価値を持っており、多くの現代建築家の研究対象になっている。また宗廟のすぐれた建築的価値は東洋のパルテノンと称されるくらい建築史蹟としての価値も大きい。